「システム刷新」という言葉を、
皆さんはどんな場面で聞いたことがあるでしょうか?
はじめまして。
私は、みんなのマーケット株式会社(以下、minma)で、エンジニアリングマネージャーをしています。
ちょうど一年前、この場所にやってきました。
minmaでは、約15年にわたって「くらしのマーケット」というサービスを運営しています。
約400を超えるサービスカテゴリ。
それぞれの暮らしのすぐそばで、今日も静かに使われています。
長く続くサービスには、必ず時間が積もります。
ユーザーが増え、店舗が増え、
その一つひとつに応えるように、システムも姿を変えてきました。
開発のやり方が変わり、
運用の考え方が変わり、
使う技術も、時代とともに移り変わっていく。
その変化に、minmaのエンジニアたちは、
壊さないように、止めないように、
静かに、誠実に向き合い続けてきました。
一方で、社会もまた、15年の間に大きく変わりました。
気候、価値観、働き方。
それに合わせて、会社も、人も、少しずつ形を変えてきたのだと思います。
けれど、変化が長く続くと、
ほんの小さな遅れや、わずかな判断のズレが、
気づかないうちに積み重なっていきます。
システムは、「今」に追いつけないまま、
その場ごとの判断で、なんとか応え続けてきました。
良かれと思って重ねた対応は、
いつしかシステムの中心に、大きく重たい"核"をつくります。
小さな変更でも、中心が揺れる。
大きな変更には、長い時間が必要になる。
気づけば、動く速さは、少しずつ落ちていました。
もちろん、立ち止まっていたわけではありません。
これまでに、何度もリニューアルを行ってきました。
小さなものも、大きなものも。
そのたびに、手応えはありました。
「良くなった」
「これで大丈夫だ」
それでも、時間が経つと、
また同じような問題が、似た場所から顔を出す。
この感覚に、私は既視感を覚えました。
それは、ダイエットに似ています。
一時的に運動量を増やせば、体は変わります。
数値も、見た目も、確かに結果は出る。
けれど、生活そのものが変わらなければ、
時間とともに、元の状態へと戻っていきます。
そしてまた、
同じ決意をして、
同じことを繰り返す。
終わりのない宿題のようです。
システムも、同じなのだと思います。
バージョンアップや技術刷新は、確かに必要です。
けれど、それだけでは体質は変わらない。
ダイエットが続くのは、
運動や食事だけでなく、
暮らしそのものが変わったときです。
無理をしなくても続くこと。 止めなくていいこと。
システム刷新も、
一度きりのイベントではなく、
続いていく前提であるべきだと、私は考えています。
健全な文化があり、
その中で自然に選ばれる設計があり、
少しずつ、しかし確実に、前へ進んでいく。
このブログでは、
minmaのシステム刷新について、
成功だけでなく、迷いや違和感も含めて、
エッセイのように綴っていこうと思います。
エンジニアだけでなく、
デザイナー、プランナー、ディレクター
ものづくりに関わるすべての人に、
どこか引っかかる一文が残れば、それで十分です。
もし、
よければ、一緒に歩いてください。
システム刷新という、長く静かな旅を。
次は、minmaのシステムが抱えている課題を、
もう少し物語として紹介してみようと思います。